レースの感想

第62回東京新聞杯回顧

前半3ハロン35秒1。
1000メートル通過58秒6だから、
マイル戦の古馬重賞としては平均ペースと言えるかもしれない。
直線の長い府中の芝コースである。
上がり勝負の競馬となるに違いない。
最速の上がりタイムをマークしたのはフミノイマージンで33秒3。
2番目に速かったのはヒットジャポットは33秒4。
3番目はダノンシャークで33秒5。
しかしこの3頭の着順は
3着ヒットジャポット、4着フミノイマージン、5着ダノンシャーク。
それだけ前の馬が楽だったということか?

前週から東京競馬場の芝コースは、
馬場の内側を通る逃げ・先行馬がそのまま残るケースが続いている。
このレースでもハナに立ったコスモセンサーを、
34秒1の脚でギリギリまで粘り込み、
3番手から上がり3ハロン33秒6の脚で伸びてきたガルボが
ゴール前でクビ差交わすという結果に。
フミノイマージンもヒットジャポットも、
そしてダノンシャークもこの2頭より後ろの位置にいただけに、
前の馬にそれ程の上がりで走られたら、
33秒台の末脚を駆使しても厳しいだろう。
それほど内側が伸びやすい馬場状態だったのだ。

ガルボは2010年のシンザン記念以来の勝利だった。
この年の富士S3着や
昨年2011年の京都金杯2着、阪急杯2着など、
「あと一歩」勝ち切れないレースが続いていた。
それだけにこの勝利の持つ意味は賞金加算の面で大きいだろう。
それでも今回は馬場特性に助けられた面も大きそう。
次走ではあまり過信すべきではないかもしれない。

第52回きさらぎ賞回顧

ワールドエース陣営は恐らく、
前走の若駒Sを勝っていれば
このきさらぎ賞は使わない予定であったに違いない。
その若駒Sから中1週。
そして福永祐一から小牧太への乗り替わり。
この2点が予定外の一戦であったことを連想させる。
道悪に加えて少頭数によるスローペース。
敗因ははっきりしているが、
それでも勝てずに賞金を加算出来なかったのは非常に痛い。
このままでは来月のトライアルレースへの出走さえ
微妙なものとなりかねない。
このきさらぎ賞に駒を進めた陣営の思惑は
こんなところだったのではないだろうか。

ある意味「無理使い」ではある。
その影響を懸念する声も一部では聞かれた。
しかし上がり33秒0という決め手を駆使して
あっさりと勝利してしまったワールドエース。
やはりこの世代ではトップ級の存在だ。
今回も1000メートル通過61秒7という超スローペース。
この緩い流れも今回は全く問題にしなかった。
馬自身もレースを覚えつつあるのだろう。

この勝ったワールドエースと2着馬ヒストリカル、
そして3着に入ったベールドインパクトの3頭はいずれも
ディープインパクト産駒。
初年度産駒よりもそのレベルは確実に上がっていると考えて良い。
特に2着のヒストリカルは
ワールドエースを上回る32秒8の上がりをマークしている。
京都競馬場の形状を考えると32秒台の上がりタイムというのは
特筆に値するものではないだろうか。
恐るべき産駒たちである。
皐月賞の時点でこのディープインパクト産駒は
果たして何頭出走しているだろうか?
今から興味深いポイントである。

第46回小倉大賞典回顧

年末にも競馬開催があった小倉競馬場。
この競馬場の芝コースと言えば、
開催が進むにつれて馬場の内側が荒れ始め、
小回りコースなのに馬群の外側を通る
差し・追い込み馬に有利になる。
これが「定説」だとされている。
この小倉大賞典は開催7日目。
後半の開催である分、
芝コースの内側の痛みは進んでいるだろう。
そう思った人は多かったに違いない。

この週末から芝コースはBコースからCコースに替わった。
傷んでいた部分の中には仮柵でカバーされた部分はあるだろう。
だがそれでも傷んでいる箇所は残っているのでは・・・。
小倉大賞典でコスモファントムやエクスペディション、
ダノンスパシーバなどを狙った人は
そんな前提で予想を立てていたに違いない。
しかし実態は違っていた。

1000メートル通過は58秒8。
明らかにハイペースだ。
馬場の外側にアドバンテージがなくても
普通なら差し・追い込み馬が浮上する流れである。
しかしこのハイペースで逃げたエーシンジーラインが
そのまま逃げ切り勝ちを決める結果となった。
2着も内枠のスマートギア。
開催後半によく見られる
馬群の外を回る差し・追い込み馬が有利の馬場コンディションではなく、
馬場の内側を回る逃げ・先行馬に有利な
開幕週のような馬場状態だったのである。

仮柵の移動によって、
馬場の内側にあった傷んでいる箇所は
ほぼ完全にカバー出来ていたのだろう。
この馬場状態を予想の段階で予想出来た人は
少なかったのではないだろうか。
この馬場状態を完璧に把握して乗っていた
エーシンジーラインの鞍上・川須栄彦は
昨年2011年の小倉競馬における開催リーディングジョッキー。
小倉競馬場を知り尽くした騎手が見せた
ファインプレーだったということなのかもしれない。

第47回京都牝馬S回顧

道中は6番手。
好位と言っていいポジションではないだろうか。
4コーナーで2番手に進出し、
直線で馬群から抜け出して先頭でゴール。
教科書通りの競馬での勝利という見方も出来るが、
4コーナーでほぼ同じ位置でレースを進めていた馬が4~5頭。
その中での決め手比べに勝ったのだから、
このドナウブルーの勝利は評価しない訳にはいかないだろう。

ドナウブルーと言えば多くの人が思い出すのは、
やはり昨年2011年のシンザン記念ではないだろうか。
ディープインパクト産駒として注目を集め、
新馬戦、500万下と2連勝したことから、
単勝オッズ2.2倍の1番人気に支持される。
しかし結果は5着。
当時の勝ち馬はレッドデイヴィス。
その後も毎日杯、鳴尾記念を勝っている。
そして2着は後の3冠馬オルフェーヴル、
3着は後に桜花賞馬となったマルセリーナだ。
今思えば相手が強すぎたのかもしれない。

1年後の今年2012年、
そのシンザン記念を全妹のジェンティルドンナが優勝。
ドナウブルーだって相手次第では勝てたレースだったに違いない。
そしてそのドナウブルー自身も今回、
同じ京都の芝1600メートル戦である
京都牝馬Sで重賞初制覇を果たした。
本当は1年前に勝っていれば・・・、
という想いを関係者なら抱くかもしれない。
重賞を一つ勝っていれば、
牝馬3冠戦線への出走もあり得る話だっただろう。
だがこの話は残念ながら「タラレバ」でしかないのだが・・・。

それでもここでようやく重賞タイトルを獲得できた。
牝馬クラシック戦線に乗ることが出来なかった分、
春のヴィクトリアマイルに向けての道筋は立った筈。
陣営にとってもこの勝利は今後の道筋が立ったという点で
大きな意味を持つものだったのではないだろうか。

第26回根岸S回顧

前半3ハロン35秒3。
1000メートル通過59秒1。
今年の根岸Sは1400メートル戦で行われる重賞競走としては
スローペースでの決着となった。
緩い流れのレースで上がり勝負の決着となったこのレース、
その上がり勝負を制したのはシルクフォーチュン。
4コーナーでは後方2番手にいた馬である。
2011年のマイルチャンピオンシップ南部杯3着が示す通り、
速い流れの競馬で前潰れになった際に浮上するイメージがあった馬だが、
こうした緩い流れの決め手勝負にも対応できることがわかった点は
好材料ではないだろうか。
フェブラリーSでも見逃してはいけない存在と言えるだろう。

だがシルクフォーチュン以外で注目したい馬が1頭いる。
それは3着に入ったテスタマッタである。
1400メートル戦は2009年に3歳500万下を勝って以来だった。
その後、大井のジャパンダートダービー勝ちなどもあり、
2000メートル前後の距離を使われることが多かったのだが、
折り合いが難しいということで、
今回はこの1400メートル戦を使われることになった模様。
今では距離不足の印象もある距離に加えて、
別定58キロを背負わされている。
不利な条件が重なっているように思えたのだが、
そんな中での3着というのは特筆すべきではないだろうか。

テスタマッタは2010年のフェブラリーSでは
エスポワールシチーから0秒4差の2着に入っている。
マイル戦の方がレースはし易いのは確かだろう。
加えて今度はG1戦だから定量戦。
怖い存在となる可能性は十分にあると思っていいだろう。

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